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関東ふれあいの道の標識

[第3回]石射太郎へ

雄大な眺め見て昼食

コンクリート道があって、何軒かの民家がある。ここで「関東ふれあいの道」標識が初めて出る。ゴルフ場の縁を歩いていたころとは大分違う。はっきりとハイキング道であることを示している。分水嶺歩きもようやく一般的なハイクとなるのである。標識は「鹿野山8・3K」「石射太郎2・3K」。この石射太郎を目指し、道を折れる。

コンクリートの上り。振り返ると雄大な鹿野山が見える。大きな平屋の民家を左に見て、土の道を進むと、ここにも石射太郎の標識。民家の下、沢筋を歩いて山へ入る。

上り勾配に、例のプラスチック擬木が埋め込まれている。関東ふれあいの道ならではの素材であり、この擬木でそれだと実感できる。モウソウチクの立派な林を過ぎると、杉林になる。

少々きつい道だが、山里の雰囲気十分で楽しい道だ。コンクリ道から25分で、廃屋が出る。この辺を台倉という。標高250b近い山深い場所だ。クルマが入る道もない。モータリゼーションに取り残されたような場所で住み続けるのは容易ではあるまい。小さな平屋の住人のその後を思うと切なくなる。

石射太郎の山頂広場へ出る

廃屋の近くに大きなタブノキがある。一対となった2本の古木で、樹齢は相当古い。かつては信仰の対象だったかもしれない。すでに人は近寄らず、根本に大日如来の石宮があるだけだ。

山道を歩いていると、左カーブの先に人が現れた。平日の午前。いくら関東ふれあいの道とはいえ、この深い山である。ここで人と出会うとは驚きである。20代の青年はさわやかに笑い「こんにちは」とすれ違う。軽装だが、かなり歩き込んでいる風でもある。

青年と別れると「石射太郎 0・6K」の標識。本日最初のピークはあと少しだ。山頂の手前を左に下ると、法ノ木集落。一行はそのまま山頂へ出る。東側が開けた雄大な眺めで、小さな小屋がある。周辺はニホンザルの棲息地で、昭和28年の調査で、約300匹の生息が確認された。かつてはこの石射太郎の山頂で餌付けをしていたという。サル棲息地は現在、もう少し西側の関豊になったが、餌付けの小屋が残る。避難小屋としても使えそうだ。高宕山から石射太郎まではニホンザルの棲息地として、国の天然記念物に指定されている。

手元の時計は午後12時45分。スタートから2時間45分。少し速いペースだったが、予定通りのペース配分である。ここで遅い昼食となった。

(つづく)

【写真説明】関東ふれあいの道の標識

【写真説明】石射太郎の山頂広場へ出る

10年11月12日 20,835
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