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八郎塚入り口まで下る

[第6回]国道410号へ

空の水筒 迎える自販機

高宕山は広義の三角点峰だが、実はこのピーク(標高330b)には三角点はない。二等三角点(点名は「豊英」)は100bほど南側のピークに打たれている。三角点の標高は315・1b。南房総市の高塚山も奥の院が最高地点だが、一等三角点は西側の尾根にある。土地の所有者の関連もあり、宗教上の理由からだろう。

急傾斜は下りの方が危険だ。慎重にルートを取って、下っていく。関東ふれあいの道まで降りると、立派な標識が出る。「下の台バス停4・6KM」。国道410号のバス停だ。この時点で午後3時。4・6`はかなりの行程だが、川崎さんは意に介する風でもない。ゴールはすぐそこなのだろう。大ベテランに従って、大船に乗った気分である。

奥畑の里へ出てひと安心

15分後に「バス停4・1KM」。30分後に「バス停3・4KM」と、看板が出て、数値も減っていく。基本的に下りの道なので、距離は残るがきつくはない。

50分後、八郎塚入り口に到着。標高342bで、高宕山よりも高い。入り口からはさほど遠くないが、もう午後3時50分なのだ。この尾根歩きのルートには入っておらず、別の機会に登りたいものだ。

八郎塚入り口には「国道410号1・6KM」の表示。バス停ではなく、国道までならあと1・6`なのだ。脚の関節が悲鳴を上げているが、1・6`の数字で気分も軽くなる。川崎さんと冗談を交わしながら、道を下っていく。

午後4時20分。里へ出る。長時間山の中にいると、里から立ち上る煙に里心がわくものだが、この日も畑から煙が上がっていた。うれしい白煙なのだ。コンクリート道に出ると、犬の散歩の若者とすれ違う。犬さえもうれしい。そんな晴れ晴れとした気分である。

コンクリ道を下って、止めてあったクルマに戻る。ザックに入れてあった1gの水はすでに空である。駐車場所にある赤色の自動販売機のなんとうれしいことか。一行は小銭を出して、思い思いの冷たい飲み物を買い求める。「これだけ疲れていると、炭酸飲料もいける」。ごくごくとのどを潤し、6時間半の山行を締めくくった。

(つづく)

【写真説明】八郎塚入り口まで下る

【写真説明】奥畑の里へ出てひと安心

10年11月16日 21,600
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