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急な上りの杉林を行く

[第9回]笹郷山へ

唯一の三角点峰越えて

頼朝の故事の真偽は別として、この山中にお茶立場があるというのが楽しい。いわゆる英雄伝説であり、房総各地に頼朝伝説は残る。ここは伝説を楽しむとしよう。

沢筋を登って、荷物の場所へ。ここで川崎さんが「お茶のど飴」を配る。お茶立場にちなんだサービスである。一同がどっと笑いで沸く。

ここから先はまた分岐となる。左へ出ればロマンの森。我らは直登気味にまっすぐ行く道を選ぶ。杉林の中の急な上りである。少々きついが、辛くはない。一歩ずつ歩いて、上を目指す。

尾根へ出ると、またもアップダウンの道。古びたコンクリートの境界杭が埋まっている。この杭が続くので登山者は心強いのだ。ルートは時折、この境界杭を外れるが、それはこぶの巻き道なので、一時的なものだ。

笹郷山への上りをふんばる

ルートの左手、北側に大きな象の背中のような山が見え隠れする。これが北側の道標である八郎塚。南房総市富浦町の大房岬沖に「象背根」と呼ぶ岩礁帯があるが、もし魚になってこの根を横から見たら、八郎塚のような姿をしているに違いない。まさに象の背である。今回は登らなかったが、いつかは訪ねてみたい山だ。

コースが徐々に上り勾配を増してくる。この先に大きなピークがあるのだ、と気付く。慎重に登って高度を稼ぐ。

立木につかまりながら登った先が、笹郷山のピークだった。笹子塚とも呼ぶが、ここは現地の表示に従おう。

山頂は5坪ほどの平地があるが、ぐるりと樹木が生え、眺望はない。2日目唯一の三角点峰(三等、点名は「坪井」)で、標高は307・8b。「山湯会」の名での看板がある。

このピークで午前11時50分。快調なペースだが、ここでの昼食ではない。

川崎さん「ここでは景色がないので、もう少し下りましょう」。

三角点の撮影をして、南へ下る。

(つづく)

【写真説明】急な上りの杉林を行く

【写真説明】笹郷山への上りをふんばる

10年11月19日 22,894
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