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最後のヘアピンカーブ

片道2・6`の快適有料道路

@鋸山登山自動車道

屈曲の続く上りのライン。海抜数bから徐々に標高を上げるコースは、房総屈指の登山自動車道である。

明鐘岬の南側。国道127号を南下すると、明鐘トンネルを抜けた山側にゲートがある。ここが上り口だ。料金は、普通車で往復1000円。片道2・6`のルートで、亜熱帯植物や眼下に広がる眺めが素晴らしい。ハンドルを握る人は、快適なワインディングが楽しめる。1000円は割安だろう。

ゲートからすぐに上りとなり、右にカーブを曲がると、正面に手掘りのトンネルが出る。ここまででゲートから0・4`。ここからはさらに勾配が増し、本格的な登山道になる。

ヤシ類が植栽され、亜熱帯のムード満点。本土最南端にある佐多岬ロードパーク(鹿児島県)のような感覚である。

大きな左カーブを曲がると、道はすぐに右へのヘアピンカーブとなる。このヘアピン手前から、南の内房側の眺めが素晴らしい。浮島、岩井袋、南無谷崎、大房岬、洲崎と、内房の複雑な海岸線が見える。自動車道だが、高速道ではないので、路肩に寄せて車内から眺めればいい。

最初のヘアピンを過ぎると、左側(北面)が鋸山の岩肌。小さい石切り場跡があって、複雑な岩の眺めが楽しめる。南側から尾根を眺めると、一番西のギザギザになった部分だ。この石切り場跡の反対の南側がまた絶景だ。

3連結点となる「西口」前駐車場

緩い勾配を行くと、正面が日本寺の「大仏口」。ここまでで1・8`。大仏口前は広い駐車場になっていて、ここにクルマをとめて歩いて入れば、磨崖仏としては日本最大の大仏に行ける。大仏にもっとも近い入場口である。

大仏口前も、左へ曲がるヘアピンカーブになっていて、ここをカーブして先に進む。

3か所目のヘアピンカーブが目の前に迫る。ここにクルマを止めるスペースがあるので、安全な場所にとめて、海を眺める。

眼下に最初のヘアピンカーブが見え、その先は東京湾。左に目を転ずれば、元名平島が見える。渡船で渡った数人の釣り人が磯釣りに挑んでいる。この岩島が真上から見える場所は、鋸山広しといえども、ここくらいだろう。180度振り向くと、ロープウエー山頂駅の白亜の建物が鎮座する。

後続のクルマに注意しながら、本線に戻る。最後の勾配を終わって、正面に出るのが日本寺の「西口」である。「日本一の大仏」の看板が迎えてくれる。

ここも広い駐車場になっていて、すでに数台のクルマがとまっている。自動車道利用の観光客は、ここにとめて日本寺に入ることが多い。

駐車スペースにとめて、ロープウエーの山頂駅を目指す。

あまり知られていないことだが、この駐車場こそ、ロープウエーと登山自動車道、日本寺の3連結点なのである。

元名石の敷かれた石段を登ると、すぐに地上デジタルの鋸山局が出る。塔高は14・9b。平成22年9月の完成で、NHKはじめ民放各社の名が刻まれている。電波塔の先が、ロープウエーの山頂駅。「鋸山山頂329b」の看板があるが、329bは三角点の標高であり、この場所の実際の標高は262bである。

山頂駅には、石切の資料コーナーがあるが、その紹介はロープウエーの回に譲ろう。

山頂駅から徒歩で降りて、駐車場へ。ここでハンドルを切って、来た道を下れば、元名の国道127号へ出る。

敷地はすべて私有地で、開通したのは1975年(昭和50)。現在、二輪車の通行は禁止されている。電話は0470―55―0433。

(つづく)

【写真説明】最後のヘアピンカーブ(ロープウエー展望台から)

【写真説明】3連結点となる「西口」前駐車場

12年6月2日 17,071
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