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観月台ルートの登り口看板

@観月台コース

金谷側からの有名な登山ルートは、大きく分けて3つある。金谷石を切り出した車力道コース、沢沿いに歩いて東の肩に出る沢(安兵衛井戸)コース、そして観月台コース。登山道の一部は環境省の関東ふれあいの道になっており、近年そのルートが整備されている。

登山編ではこの3つのコースのほか、忘れられた「蒼の階段」コース、富津側の林道、鋸南側の林道、立ち入りが困難なルートも合わせて紹介しよう。最初はもっともポピュラーな登山ルートの観月台コースである。

金谷の街中から、関東ふれあいの道の案内標識にしたがいJR内房線のガードをくぐると、最初に出るのが観月台コースである。入り口には立派な案内図と看板があるので間違えることもない。左へ行けば車力道だが、観月台には正面の階段を上がっていく。

神社の階段のようなコンクリートの階段が続くが、左右はスダジイの自然林で、階段以外は人工的な要素もない。やや急登であるが、つらいほどでもない。スダジイ林を抜ける風を頬に受けながら登る。

10分ほどで階段は終わり、ここにベンチがあるのでひと休み。今度は露岩の上りで、山らしくなってくる。左に富津館山道路が見え、右手にはロープウエーの索道が見える。地上デジタルの鋸山局も確認できる。

ルート中間地点の休憩所付近

ベンチから5分で、観月台になる。金谷港が見下ろせる場所で、正面に富士山も見える。景色の案内標識もある。ここから月が見られるという場所で、優雅な名前だ。周辺を「京浜急行グラウンド」といい、昭和27年建立の記念碑がある。これがまたしゃれていて、全体は鋸山の形をしている。当時の金谷村が建てたもので、観光立村として対岸の京浜急行とともに観光振興を図る旨の表示がある。現在の鋸山の観光地化は、この記念碑が嚆矢(こうし)なのであろう。

観月台から、鋸山の岩肌が見える。この一部に彫られた作品が、彫刻家・工藤哲巳(1935―1990)の「脱皮」である。一部が樹木に隠れているが、観月台から見る作品は、感慨深い。

観月台にはコンクリート製の東屋があり、その一段下には簡易水洗のトイレもある。トイレの場所から「東の肩」が良く見える。

トイレからはいったん下る。金谷石の敷かれた石畳の道で、下りも快適である。「標高150b」標識が一番下った場所で、ここからは露岩、石畳まじりの上りになる。途中、石祠を右に見る。地層の縞模様が美しい岩を歩くと、やがて石垣のある平坦な場所になる。ここが休憩所。標識は「石切り場跡0・3` 観月台0・3`」で、ルートの中間地点でもある。

休憩所の上に出ると、車力道のような急な下り傾斜がある。ここが切り出した石を下ろしたスロープであろう。小さな切割があって、ここを抜けるが危険なのでここは正規のルートを歩こう。

スタートから1時間で、石切り場跡・日本寺の分岐になる。左が石切り場跡、右が日本寺の北口である。

右にルートを取ると、分岐から5分でパイプの手すりがある場所になる。急な石階段なので注意して登る。登った先が垂直な崖で、ここが日本寺の北口管理所だ。スタートから1時間15分。観月台コースは素敵なルートである。

(つづく)

※山中にはマムシやスズメバチなど、生命にかかわる生物がいます。十分気をつけてください。

【写真説明】観月台ルートの登り口看板

【写真説明】ルート中間地点の休憩所付近

12年7月16日 13,856
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