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石切り場跡近くの下りの案内看板

石畳続くお勧めルート

北口から日本寺に入って拝観すると、百尺観音や地獄のぞきが間近だが、それは「日本寺編」に詳述する。今回は石切り場跡から、車力道を下ってみる。

北口からきびすを返し、標識に従って石切り場跡方面に歩く。5分で石切り場跡・日本寺の分岐に戻る。関東ふれあいの道は金谷の街中を通り、観月台コースを登って、石切り場跡から新展望台に続くルートで、この分岐から石切り場跡が関東ふれあいの道の一部となるのである。

石畳の道を歩く。ややアップダウンはあるものの、ルンルン気分の道である。後ろを振り返ると、空中に張り出した地獄のぞきが見える。観光地とあって手すりの中に数人の観光客がいる。

鋸山は不思議な山で、観光地と山岳地が混在している。観光客は身軽なスタイルだ。ロープウエーでも登れるのである。中にはハイヒールの女性もいる。一方で登山者はザックにストック、足元はスパッツという装備。長い尾根で、硬軟織り交ぜた人物模様が展開されている。

取材日は中学校の遠足があって、かなりの人数の中学生の歓声がこだましている。石切り場跡に響く若者の声もいいものだ。

10分で石切り場跡と車力道の分岐となる。車力道方面の左に折れてしばらく行くと、石切り場の真下に出る。石切り場そのものも広くて、鋸山北側には、いくつか真下に出る場所があるのだ。

道よりも低い場所には水が溜まり、真上を見上げると複雑に切られた崖が見える。住宅建材に重宝された石とはいえ、これだけ大規模に切り出すのは大変な労力だろう。金谷地区の人口の80%が従事していたというから、最大の産業だったということが、この石切り場跡と車力道で分かる。

車力道コースの登り口

石切り場跡の複雑な登山ルートを越えて登った先が、車力道と関東ふれあいの道の分岐。ここを右に進めば、新展望台経由で三角点だが、今回は車力道を下る。

石畳のルートは、この石切り場で切り出した石材を荷車に乗せて麓へ下ろした道である。石材の重量で車輪が石畳にめり込み、2条の筋が今も残る。立派な文化遺産であるが、このルートも近年になって脚光を浴びたものだ。

下った途中に展望台があり、標高は低いが金谷の港が見下ろせる場所だ。ここでひと休みして、さらに下ると、ボブスレーのコースのような場所が2か所ほど出る。狭いルートを車力が下ったということが伝わってくる。石を切り出すのは男の仕事、これを運ぶ車力が女の仕事だったという。車力は1日3往復が標準だったという。男女とも過酷な労働なのは、間違いない。

沢をまたぐ小さな橋を過ぎると、沢沿いに下る道。やがて林道となり、ここにベンチが置かれる。車力道はここで終わりだ。

石切り場跡から30分ほどである。

後日、このルートを登ったが、非常に快適な石畳ルート。お勧めである。

※山中にはマムシやスズメバチなど、生命にかかわる生物がいます。十分気をつけてください。

【写真説明ヨコ1段半】石切り場跡近くの下りの案内看板

【写真説明ヨコ2段 】車力道コースの登り口

12年7月21日 15,025
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