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開通記念碑のある林道峠

E林道元名線

林道峠は関東ふれあいの道との合流点でもある。ここから尾根を通って東の肩まで約20分。その先は「登山編C関東ふれあいの道」で紹介した尾根ルートになる。

開通記念碑の裏には、この工事の概要が刻まれている。着工は昭和58年(1983)、完成は平成9年(1997)。14年の歳月をかけて、この林道を開削したのである。林業にはもちろん、こうしてハイキングにも役に立っているのだ。

東の肩に行くには「鋸山山頂 1・4`」の標識に従って杉林の中を歩けばいい。東の肩に行かず、下っていくルートが、林道元名線である。こちら側の管理は鋸南町であり、下りの快適な林道コースになる。

「大型車進入禁止」「この先路面凸凹あり 落石注意」などの看板を右に見て、車止めの間を歩くと、切割になる。地面はコンクリート舗装である。

切割の正面に出る特徴のある姿の山が、鋸山につながる郡界尾根の一員の嵯峨山(標高315・5b)だ。視界を右に振ると、御殿山―鷹取山―宝篋(きょう)山―大日山の房央アルプスが見える。鷹取山の手前に独立峰の伊予ヶ岳。右側のリーゼントのようなでっぱりが、南峰の岩である。

この林道はあまり景色を望めないが、この峠からの眺めは最高である。しばしこの眺めを楽しみながら、下っていく。

関東ふれあいの道の道標

林道元名線は関東ふれあいの道の指定で、標識がしっかりしている。「JR保田駅 4・0`」の標識を過ぎ、さらに下ると、採石場跡地入り口になる。林道沿いには小さな沢がある。これが鋸南町水道の鋸山ダムの水源である。

採石場跡地を過ぎ、アスファルト道になると、「JR保田駅 2・7`」の標識。この先が、鋸山ダムの堰堤で、ここで小休止する。林道峠からわずか55分。下りは楽チンなのである。

やがて富津館山道路の高架橋下に出る。ここの電柱に「温泉支」の標識。この高架橋の東側にかつて保田温泉があった。老舗の温泉宿だったが、現在は建物もなく、温泉支のみがその存在を示す。

このまま林道を下っていくと、やがて鋸南町水道課の事務所になる。ここまで来れば、もう街中と同じ。山の中を出て、住宅地である。

取材時は富津館山道路の高架橋をくぐった先を右(北側)に折れた。富津館山道路に沿って急なアスファルト上りを歩くと、やがて峠になる。この先に東京湾が見える。沖を行く大型船も手に取るようである。

下ってすぐ、右手に元名ダムが出る。この先が鋸山の良く見える場所で、いくつかのこぶが見える。日本寺の古絵図には月輪山、瑠璃光山、日輪山とあるが、それと比定できそうなこぶを探す。

富津市側も美しいが、鋸南町側も美しい。鋸山の奥は深い。

※山中にはマムシやスズメバチなど、生命にかかわる生物がいます。十分気をつけてください。

【写真説明】開通記念碑のある林道峠

【写真説明】関東ふれあいの道の道標

12年8月20日 9,429
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