企画・エッセイ » 記事詳細
平場にぽっこりとした山頂展望台

G山頂エリア

鋸山南麓で最上段にあるのが、日本寺の山頂エリアである。これまで表参道、東口、大仏、羅漢エリアと、石仏群を中心にさまざまな紹介してきたが、山頂尾根にもいくつかの信仰対象物がある。

日本寺の広い境内は、一日では回りきれず、この取材も数日かけている。その最後に待つのが300b級尾根の山頂エリアである。

<山頂展望台>

西国観音から急な階段を上る。九合目から山頂を目指す最後の上りである。やがて空が開けると、正面の大岩が山頂展望台である。

鋸山尾根には、いくつもの展望所がある。西からロープウエー山頂駅、十州一覧台、瑠璃光展望台、地獄のぞき、そしてこの山頂展望台である。山頂展望台は、境内の一番東に位置する。

日本寺境内を外れると、新展望台、三角点の2か所ほど眺望があるが、やはり境内の眺めにはかなわない。

尾根の平場にぽっこりと一段高い場所で、周囲には手すりがついているので、安心だ。ここでぐるりの眺めを楽しむといい。

<地獄のぞき>

山頂展望台のすぐ西隣が、有名な地獄のぞき。千五百羅漢と並ぶ、鋸山の名所である。

オーバーハングのように突き出た岩から真下をのぞくと、まさにそこは地獄。鋸山を紹介する写真では、必ずこの岩場が使われるから、ランドマークといってもいい。

石切り職人が遊び心でこの突き出た岩を残したのだが、後世になってこれほど有名になるとは、その職人も思わなかっただろう。

ここにもステンレス製の手すりがあるので、安心して地獄をのぞける。

<瑠璃光展望台>

地獄のぞきの西隣。コンクリートの基礎があって、ここから地獄のぞきが真横に眺められる。瑠璃光とは宝石のような美しい光のこと。薬師瑠璃光如来は、下の大仏であり、展望台はその真上に位置する。

ちなみに薬師如来は、脇侍に日光菩薩と月光菩薩、眷属(けんぞく)として十二神将が配される。この周囲を瑠璃光山といい、ロープウエー山頂駅周辺が月輪山、新展望台あたりが日輪山である。

<百尺観音>

地獄のぞきの下の垂直崖面に彫られた観音像。第二次世界大戦の犠牲者の供養と世界平和、東京湾周辺の航海、航空、陸上交通の安全を祈願して昭和41年(1966)に完成した。

見上げるばかりの大きなお姿には、大仏と並んで感動を受ける。周囲は垂直に切り立った崖で、イワタバコの一大群生地。日本寺の北口管理所が置かれる。

<十州一覧台>

日本寺山頂エリアで、もっとも人が訪れない場所だろう。山頂展望台―百尺観音間は、つながった尾根だが、十州一覧台の一角は、もう一度階段を上らなくてはならないからだ。

西口管理所から階段を161段。一番上の平場が、十州一覧台。ベンチが置かれ、芝生になっている。北側と南側の眺望があるが、一部は樹木が茂って見えない。

ちなみに十州とは安房、上総、下総、常陸、上野、下野、武蔵、相模、伊豆、駿河。

<浅間神社>

一覧台の平場にさらに岩があり、ここに立派な祠がある。いわゆる浅間信仰のひとつで、ここから富士山が見えたことから、建立されたのだろう。

<世界救世教記念碑>

昭和10年(1935)に立教された新宗教系の教団の記念碑。教団ではこれを「天啓聖蹟碑」と呼ぶ。

近くに説明板もある。それによれば、岡田茂吉教祖は、昭和6年6月14日、日本寺に拝宿し、翌朝、十州一覧台で旭光を見た。これが天啓で、のちに立教にいたったという。昭和40年に建立され、周囲は整然としている。

【写真説明】平場にぽっこりとした山頂展望台

【写真説明】鋸山の象徴、地獄のぞき

【写真説明】地獄のぞきが真横に眺められる瑠璃光展望台

【写真説明】見上げるばかりに大きな百尺観音

【写真説明】一覧台平場にある浅間神社

【写真説明】世界救世教の「天啓聖蹟碑」

鋸山の象徴、地獄のぞき 地獄のぞきが真横に眺められる瑠璃光展望台 見上げるばかりに大きな百尺観音 一覧台平場にある浅間神社 世界救世教の「天啓聖蹟碑」
12年11月10日 10,055
Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved