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アトリエスペースで金子愛さん

24 金子愛さん

富津市金谷の観光施設を改修した「KANAYA BASE(金谷ベース)」を運営するNPOのスタッフが、金子愛さん(27)だ。地域ぐるみでまちおこしに取り組む金谷地区で、活性化の情報発信元でもある。

元々は植物園を兼ねたホテルだった。国道127号沿いのフェリー港近くにあり、金谷の表玄関に位置する。地域の中核施設が空き家のままでは、活性化にならない。

「石と芸術のまち」を標榜して活動をする、NPO「KANAYA」の鈴木裕士理事長が東奔西走し、この施設を借り受けた。鉄骨2階建て延べ床面積は1600平方b。「海の見えるシェア・アトリエ」として、改修した。金子さんら賛同者3人と有志のボランティア・入居者による手作業である。外装は足場を組んで塗装し、内部もアトリエ向けに手直しした。

植物園と土産物売り場だった1階は、個室アトリエとオープンスペース。レストランと客室だった2階が、オフィスとアトリエに生まれ変わった。現在は18組のアーティストが登録し、この施設を活用している。

オープンは昨年8月4日。それぞれのアーティストが単発的な発表をしたり、隣接の金谷美術館と合同でイベントを開いたりしている。

インターネットでも情報発信を続け、この1年間で知名度もアップした。東京から訪れる人も多く、この施設を拠点にした活動が広がっている。

この1年間を「手応え十分」と、金子さんは振り返る。6月には、全校児童42人の金谷小学校の運動会に、金谷ベースに関連する40人が参加した。小学生やその保護者との接点も生まれた。地域に根ざした活動をめざしており、こうした地道な活動こそが「本当のベース(基地)」と金子さん。

KANAYA BASEの外観

かつての金谷のにぎわいを取り戻したいが、金谷ベースの理念は少し別の位置にある。「一時的なにぎわいでは意味がなく、継続的にしたい」という理想。芸術家という仕事は、生活とともにあるべきという思いから、仕事と生活が密着した場所を求めている。

その金子さんは、茨城県出身。都内で働いていたころ、縁あって金谷ベースに誘われる。「元々、まちおこしに興味があって」金谷の地に足を運んだ。第一印象は「海と山が一緒にあって、しかもそばにフェリーがある。こんな場所はなかなかない」。

NPOスタッフの仕事が決まった後、初めて鋸山に登った。車力道から登って、石切り場へ。観月台を降りて、鋸山を満喫した。山全体を「すごくいい場所。幻想的だった」と感じた。

その金谷ベースでは、8月3日に1周年記念パーティーがある。午後3時半から式典を予定。その後は、会費制のバーベキューで満1歳を祝う。「実は金谷ふるさと音頭が新しく出来たんです。盆踊りで楽しむ予定」と金子さん。

次回はその金谷ふるさと音頭をつくった人の物語。

【写真説明】アトリエスペースで金子愛さん=富津市金谷

【写真説明】KANAYA BASEの外観=同

13年7月20日 37,563
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