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そろいのジャンバーを着るメンバー=鋸南

26 鋸南町ボランティアガイド

標高329・5bとはいえ、安房と上総を分ける国境の山岳である鋸山。安房側には、公式な鋸山ボランティアガイドがいる。

2007年(平成19)の冬から春にかけて、県内全域であった「ちばデスティネーションキャンペーン」(ちばDC)。JRグループを核とした県内全域の観光宣伝で、これに呼応する形で鋸南町にも動きがあった。民間レベルでボランティアを育成しようという動きである。

鋸南の観光要素といえば、もちろん鋸山。それまで公式なガイドもいなかったこの山で、DCをきっかけに地元のガイドを組織しようというのである。

2006年10月、町中央公民館で最初の観光ボランティア養成講座が開かれる。翌年の2月1日から4月30日までのキャンペーン期間をにらんでのことだ。町内には20人ほどの潜在候補者がいた。この人たちに声をかけて、講座がスタート。町商工会も加わり、観光機関とのマッチングも図られた。講師は菱川師宣記念館の笹生浩樹学芸員。鋸山や日本寺の歴史を学び、案内するコースの選定も行われた。

数回の講座を経て、晴れてガイドとなったのは7人。その後、ガイドが仲間に声をかけて、その輪は58歳から80歳までの11人に広がった。

ボランティアガイドの表示

標準的なコースは、金谷側からロープウエーで山頂駅に上がり、西口から日本寺に入山。百尺観音を見て、地獄のぞきを案内し、千五百羅漢から大仏広場へ出る。東口に下って、迎えに来たバスに乗ってもらい、案内を終える。大人の団体客が多く、最近ではアジア諸国からの留学生、メディア関係の案内も目立つ。外国人は通訳がつくので、日本語での案内で大丈夫だ。

案内は月2回ペースで依頼される。県や町役場を通じて要請があるが、11人の登録ボランティアのうち、時間の都合がつく人が、率先して案内する。最近は鋸山だけでなく、冬場の水仙ロードを歩くこともある。捕鯨文化の残る鋸南町だから、鯨塚など、捕鯨の歴史的場所を案内することも。

会長の平島和夫さんは、ボランティアガイドについて「楽しいのは、いろんな人との出会い」と語る。歴史を真剣に聞く人、地獄のぞきからの絶景に驚く人、瑠璃光薬師如来(大仏)に感激する人。それぞれの一期一会をボランティアとして楽しむ。低い山だと思って、なめてかかる人もいる。そんな人に限ってアルコールを含んでいる。残念ながら物見遊山の人も少なくないのである。

そろいのジャンパーをつくり、ボランティアガイドである旨を表示している。夏場はさすがに暑いが、そろいのジャンパーを着ると、身が引き締まるという。

「私たちは、あくまでボランティア。経済的に補助を受けていない、まちおこしのための案内です」とメンバーら。目下の悩みは女性ガイドがいないこと。現在の11人はすべて男性。「女性のボランティアもつくりたいのですが……」。

正式なガイド要請は、鋸南町役場の地域振興課を通じて。電話は0470―55―1560。

【写真説明】そろいのジャンバーを着るメンバー=鋸南

【写真説明】ボランティアガイドの表示

13年8月5日 34,807
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