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毎日新聞は7月10日に、お茶の水女子大学が「トランスジェンダー学生を入学可能にした」という記事を配信しました。

戸籍上は男性でも性自認に基づき入学を希望するトランスジェンダーの学生受け入れについてお茶の水女子大の室伏きみ子学長が受け入れる意向であることを説明したのですから、本当に女子大学にトランスジェンダーの男性(?)が入学できるようになるのですが、この方面の覚悟が不足している私には、ちょっとしたショックでした。

これまでにすでに性的マイノリティーの方々が同性との結婚を認められるという国内外のニュースは見た記憶がありましたが、女子大への男子の入学が日本で正式に認められるようになったことを知り、私は驚きました。

私の若いころは、お茶の水女子大学、奈良女子大学は国立の女子大学で、優秀な女性が行くところというイメージでとらえていたので、われわれの年代の男子の憧れでもありました。

そこへ男性が入学するようになると聞くと、心中穏やかではいられません。

そんな古いことを言っている時代ではないし、自分自身、これだけ男女平等というなら、女子大や女子医科大学も男子学生を受け入れないとおかしいではないかと発言したこともあったのですが、いざ、これまでの憧れの女子専門(専用)大学に自分と同性の男が入るとなると、なんだか長年の夢が壊されるようで、複雑な思いに駆られるのです。

実は私、30歳前後に、多くの女性とお見合いをさせていただいたのですが、内心、縁談話がくるのを期待していたN女子大学、T女子大学、T女子医科大学の卒業生とのお話しはひとつも来なかったのでした。当時の縁結びが好きなおじさん、おばさんたちには、私はそのような条件の良い女性には不似合いだと思われていたのでしょう。

こんな不幸な経験が心の傷として残っているためか、女子大学は、女子のみしか入れない大学として残っていてほしいと思ってしまうのですから、まさにセクハラおやじと呼ばれてもしかたのない私なのです。

毎日新聞は、「自治体がLGBTなど性的少数者のカップル認定を始めるなど、国内では性の多様性を認める流れが進みつつあり、日本女子大や津田塾大、東京女子大、奈良女子大でもトランスジェンダー受け入れの検討が進められている」と述べていますこら、この動きは一気に進むでしょう。私も頭を切り換えざるをえません。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

7月16日20時00分 395
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