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私は岐阜県の東濃地方の出身で、県庁所在地の岐阜市からも離れた土地であるため、若いころは、出身高校・多治見北高校の同窓生にはあまり有名人と思われる人はいないと思ってきました。

しかし、最近は世間の注目を浴びる卒業生たちも出てきました。

フリーアナウンサーの近藤サトさんもその1人です。

フジテレビ在職中にキャスターとして脚光を浴び、故郷の方でも自慢の有名人の1人となりました。一時は、芸能人との結婚問題などで話題になったので心配していましたが、その後、実力をみせて活躍を続けていて、うれしく思っています。

今回は、「白髪を隠さない」と宣言したことが朝日新聞でも取り上げられ、私の目にも触れました。

私は以前から「白髪になったらそのまま染めずにいた方が、その人の人間性がよく表れていい」と考えていましたので、朝日新聞の近藤さんのインタビュー記事を読んだときに、「よく言った。それでこそ、おれの自慢できる多治見北高の後輩だ!」と内心、拍手喝采いたしました。 近藤さんの述べている意見を同紙の記事から引用します(2018年9月14日午前10時59分、朝日新聞デジタル)

もちろん、私は白髪を染めることを否定はしません。染めることも染めないことも、自由に選択できるべきだと思っています。それに、女性が美しくいたいと思うのも当然ある気持ち。若さだけではなく、50年間も生きてきた経験値や、これまでの積み重ねだって十分に美しい。そうした自信は、もっと持っていいんじゃないかなと思います。

白髪染めをやめてみたら、いろいろな束縛から楽になり、すっきりしました。若さに縛られなくなったことで、特任教授として教えている大学の学生とも距離が近くなったように感じます。うれしかったのは、私の講義を聴いていた学生が「先生みたいに年を取りたい」と言ってきたこと。「若くありたい」と無理をしているのが周囲に感じられていたら、そんなこと言ってくれないですもんね。

不思議なことに、白髪染めを手放したことで「自分は誠におばちゃんである」と正面から認められました。若さにしがみつくのではなく、「お先にシニア世代へ」という気分かな。なんだか、かっこいいでしょう。

シニア世代の1年生として、今ようやく大人になれたような感覚でいます。

近藤さんはまだ50歳です。どうぞ、このまま元気に、白髪を堂々と見せながら還暦、卒寿、米寿まで走り続けてください。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

9月24日20時00分 570
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