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私たち医師は、医学・医療の発展に遅れては、患者さんに良い医療を提供できなくなるため、できるだけ学会には参加しなくてはなりません。それが新しい情報を効果的に仕入れる方法でもあるからです。

さらに、できることなら自分でも研究を進め、その内容を発表したいものです。

しかし、大学病院以外の一般病院にいると、それはなかなか難しいことです。研究に時間を割くのが難しいからです。

私自身は、一般病院で長くやってきましたが、それでも大学病院にいる医師たちに負けないだけの研究発表を続けてきました。並みの大学教授よりも私の方がはるかに多くの学会発表、論文発表をしてきましたが、本当に大変でした。私の論文・著書のうち、「筆頭ネーム分のみで270以上」というと、どなたも驚かれる数字です。「一般病院にいながら、大学人に負けない学問的業績をあげてやる」とやせ我慢をし、無理を重ねてきましたが、現在の若い医師たちにそれを強要することはできません。

一般病院での日常臨床活動に忙しい医師たちが学会に参加するのは大変ですが、そんな中に、いくつかの学会をまとめて1週間にやってしまおうとする工夫もなされています。

それが、私が本日から参加している「日本消化器関連学会週間」(略称JDDW)というものです。

今年は11月1〜4日にわたって神戸で開催されています。

この学会には、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会、日本消化器外科学会、日本消化器がん検診学会が参加しています。

最近は学会の定める専門医制度による専門医の資格を維持するために、学会への参加が必要なのですが、この消化器病関連学会週間に参加すると、これらのすべての学会に参加したことになるので、必要な単位を取るのに大変効果的です。私も今回の学会参加により、消化器病学会、消化器外科学会の専門医更新に必要な点数を稼ぐことができているのです。

単独で行われる学会よりも参加費が高くなりますが、まとめて必要な単位を稼げるので、お得感があります。

ちなみに、私は日本消化器外科学会の「特別会員」ですので、「ご招待」になっており、参加費を払う必要がありません。長年の学会への貢献が認められた者にだけ与えられる称号、特権です。

全国の医療機関の一部では、今週はJDDWへの参加のため「医師が学会出張中」となっているかもしれませんが、このような背景があることをご理解いただけますよう、お願い申し上げます。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

18年11月5日 654
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