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私の属する団塊世代の人たちが集まると、近い将来、自分で自立した生活を続けることが難しくなるのは明らかで、あとは時間の問題ですから、当然、老人ホームの話が出ます。

私も時々ネットで老人ホームあるいは高齢者用住宅の宣伝に目を通していますが、良いところだな、と思うところは、値段あるいは賃貸料が高いですね。

年金生活になった状態で、この賃貸料、あるいは管理費が払えるのか、と考えるととても不安になります。

マンションを買ってしまえば月々の賃貸料は要らないでしょうが、体の自由が利かなくなった老人は、どこでも管理人のお世話にならないといけないので、管理費がいくらかが気になります。

年を取ったら一軒家よりもエレベーターのついた、管理人もいるマンションが便利で安全でしょうね。

「賃貸料が高くない老人用マンション、または老人ホームという言葉を念頭においてネットの記事を探していたら、朝日新聞デジタルが、「マンションに『無届け』老人ホーム 安い利用料、実態は」という記事を掲載していました。

老人ホームでも、託児所でも、認可か、不認可か、あるいは届け出か、無届けかがいつも問題にされますが、私のように日本がまだ裕福でなかった、昭和20年代から30年代に田舎で子ども時代を過した老人から見ると、安い料金で面倒を看てくれるところがあれば、無認可でも、無届けでも良いじゃないか、と思ってしまいます。

朝日新聞が取り上げたマンションにある老人ホームは、職員も熱心で親切な方ばかりで、居住者たちの満足度も高いようです。問題は、避難設備などが不十分で「無届け」であるとのことです。

これらの無届け老人ホームが「届け出」の資格を取ろうとすると、工事費がかかり、料金がかなり高くなってしまって、入居できる人が少なくなってしまうことが大問題です。

私の職業上の立場からすると、こんなことを言ったらまずいかも知れませんが、無届け老人ホームでもある程度以上、快適に過ごせれば、私は入居したいです。これからの時代、細かい法律上のことにこだわらずに、もっと大らかに生きて行かないと、若い人たちに嫌われますよ。少々の災害に見舞われることを覚悟していないと、生きていることを許されない、嫌われ老人になってしまうと覚悟しています。「間違った、危険思想の持ち主」と非難されるのを覚悟で、この記事を書いています。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

1月21日20時00分 396
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