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朝日の誤報にはびっくり

ハンセン病元患者家族への差別に対する国の責任を認めた熊本地裁の判決に対し、国が控訴するかどうかが注目されていましたが、最終的に国が控訴しないことになり、本当に私はほっといたしました。

7月9日には、政府の決定がどう出るかに日本国民の注目が集まっていた中、私はまず毎日新聞の配信したニュースで、「政府は9日、ハンセン病元患者家族への差別に対する国の責任を認めた熊本地裁判決を受け入れ、控訴しないことを決めた。安倍晋三首相が同日午前、根本匠厚生労働相、山下貴司法相らと首相官邸で協議し決定した。隔離政策が家族への差別も助長したと認定し、初めて家族への賠償を命じた判決が確定する」という内容を知って、やれやれ、これで日本も諸外国から非難されずに済みそうだと安心したのですが、その直後に朝日新聞が配信したミュースを読んで、仰天しました。

「2019年7月9日10時45分 元ハンセン病患者の家族への賠償を国に命じた熊本地裁判決について、政府は控訴して高裁で争う方針を固めた」と天下の朝日新聞が報じたのですから、信じられないと思いつつも、誤報とは考えられないので、「安倍首相および政府は、なんという破廉恥なことをしてくれたのだ」と、国に対する信頼感をなくし、愕然(がくぜん)といたしました。

しかし、その直後に、朝日の誤報に対するおわび記事を読んで、安堵いたしました。

それにしても、どうしてこんな間違いを朝日新聞が犯したのかと不思議に思いました。どちらに転んでも良いように、記者が2つの記事を用意していて、最後に間違って送信してしまったのでしょうか。

社内では、その記者さんは辛い立場に立たされているのではないかと心配しています。ある程度、出世、昇進には影響するでしょうね。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院名誉院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

7月16日20時00分 320
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