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山名の古民家会場に20人討議
参加者 「地元の風習も知りたい」

里山を次世代へ継承する方法を考える場となる「里山継承論vol.0」が17日、南房総市山名の古民家「ヤマナハウス」とその近くの里を舞台に開かれ、20人が里山の在り方、維持の方向性などを一緒に考えた。ブレーンストーミング(集団発想法)で意見を出し合い、今後の里山継承の方向性を探った。
講師は、「低名山倶楽部」を主宰する、本紙の忍足利彦デスク兼特別編集委員。冒頭、パワーポイントで里山の概論を説明。その後、忍足デスクが出演した、山関連のテレビ番組のDVDを見て、房州の里山について、思いを巡らせた。
この後、地域の里山を実際に歩こうと、山名の熊野神社、智蔵寺を歩いた。忍足デスクは、山名地区には優秀な石工がいて、明治時代に地域に盛んに石橋を架けているなどと解説。熊野神社の石橋は川に架けるのではなく、作場道(農道)の上に架けた石橋で、神社の「階(きざはし)」として精神的な存在になっているのではないかと話した。
神社を後にした一行は、「山名の大寺」こと智蔵寺に参拝。曹洞宗の名刹(めいさつ)で、初代・波の伊八の竜、飛竜の欄間彫刻があることで知られる。この日は特別に本堂に上げてもらい、伊八の作品を目の当たりにした。参加者は「本堂で迫り来る竜の迫力を感じた」などと口にした。
同寺にはノーベル賞の小柴昌俊氏の先祖の墓があり、墓地を巡って小柴家の墓所も参詣。途中にある出羽三山の行者で、無漏と刻まれた酒樽(さかだる)をかたどった墓も見学した。こちらは安房三名工のひとり、武田石翁の作品。
身近な里山を肌で感じた参加者は、ヤマナハウスに戻り、ブレーンストーミング方式の討議に。農業用水の取水の現状、房州の地質、里山の歴史、里歩きの仕方、地元の風習や習慣、地場産業のあらましなどの考察が今後に必要になるなどと確認し合った。
今回は里山継承論の初回であり、今後もさまざまなテーマを掲げ、詳しい地元の人の話を聞いていくことで合意した。
参加者の中には二拠点居住者や移住者もおり、「まずは、地元の風習をもっと知りたい」などの意見もあった。
【写真説明】討議する参加者=南房総
【写真説明】石橋の下をくぐる参加者=同
19年12月3日 1,180

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