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もう30年以上前のことですが、エイズという疾患が注目され始めたころ、エイズは同性愛者に圧倒的に多く発生することが報じられました。当時は、「同性愛」という禁じられた行為をするものに神が与えた罰則であるというニュアンスの報道も見受けられたことを記憶しています。

しかし、時代は流れ、現在では同性愛者の人権も認められる時代となりました。

性的少数者とかLGBTという言葉も日常の報道でよく見られるようになりました。

恥ずかしながら、私は2年前にはLGBTが何の略語かを知らなかったので、ネットで調べたことがありました。

本紙の読者の皆さまはもっと以前からご存じだったと思いますが、LGBTとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティー(性的少数者)の総称のひとつです。

著名な人の中にも、この範疇(はんちゅう)に入る方が少なからずいて、自ら自分がそうであることを明らかにされることもある時代となりました。

最近では、カミングアウト(coming out)とかアウティング(Outing)という言葉も耳にするようになりました。この2語は以下のように定義されているようです。

アウティングはゲイやレズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーなどに対して、本人の了解を得ずに、公にしていない性的指向や性同一性等の秘密を暴露する行動のことで、カミングアウトとは、これまで公にしていなかった自らの出生や病状、性的指向等を表明すること。英語の動詞形でカムアウト(come out)またはカムともいう。逆に、他人の秘密を暴露することをアウティングという。

先日、毎日新聞が「教育の窓 先生からのカミングアウト LGBT、理解へつなぐ」という記事を掲載しました(毎日新聞2019年12月3日付 東京朝刊)。

トランスジェンダーであることを生徒にカミングアウトした教諭のことを扱っていました。性的少数者(LGBTなど)について、「当事者の児童・生徒に配慮したり、授業や講演で学んだりする取り組みが増えつつある中、自らの体験を生かしてほしいと、教員がカミングアウトするケースが見られ始めた。一方、偏見を気にして踏み出せない教員もおり、専門家は周囲の理解が必要だと指摘している」と担当記者は結んでいました。

私自身は、自分が性的少数者に関して、あまりにも無知のまま生きてきたことを反省し、これからしっかり勉強する必要があると痛感しています。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院名誉院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

2月3日20時00分 563

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