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本紙読者見の皆さまも新型コロナウイルスによる肺炎の報道はよくご存じで、私よりもはるかに多くの情報をお持ちだと思います。さらに、このエッセイが掲載されるころには一層、詳しい新知見が得られていて、私が本日記載する内容が陳腐なものになっていて、笑われることを覚悟で書いています。

私も新聞およびテレビ報道、ネットで提供される情報に自分なりに気を配っているつもりですが、本当に毎日が驚きの連続です。

2月4日に日経メディカルがネットに掲載した情報には、予想はしていたものの、やや戸惑いました。表題は「新型コロナ感染症を診る専門外来を設置へ」ですが、副題が、厚労省「一般の医療機関では疑い例は診ないでほしい」とあったからです。

一般の医療機関の立場からすると、患者さんが医療機関の玄関を入って受け付けまで来てしまわれたら、診療をお断りするのはそう簡単なことではないと思うからです。

千葉徳洲会病院のようなある程度大きな医療機関なら、このような対応もそう困難ではないかもしれませんが、開業しておられる医師たちにとっては、かなり難しい対応を迫られるのではないかと思って、同情する気持ちになりました。

そこで、私が長年親しくしている開業している友人たちに、どう考え、どう対応しているかを電話で聞いてみました。

結果は、私が心配したほどのことはなかったということです。

今回はマスコミが大きく報道してくれたおかげで(?)、患者さんたちが国、および医療機関の置かれた状況をよく理解してくださっていることが多く、「保健所へ問い合わせますので、しばらくご自分の車の中でお待ちください。その結果でどこの病院へ行っていただくのがよいのかを説明しますから」などとお話しすれば、ほとんどの方が納得してくださっている、ということでした。ただし、外国人の中には「せっかく来たのにどうして診てくれないのか」と不満を示されることもあるようです。

日本も多くの外国人とともに暮らす社会になっていますから、このような問題も間もなく解消に向かうものと期待しています。

新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)で世界中が大変なことになっていますが、この問題に世界中の人々が知恵を出し合って立ち向かうことにより、人類がより強い絆を築くことができれば、と祈っております。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院名誉院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

2月10日20時00分 717

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