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新型コロナウイルスによる肺炎関連の報道が連日続き、多くの方々が新型コロナウイルスを驚異に思われているのは当然のことです。

しかし、必要以上に神経質になって、人権問題になるような問題が起きないように注意する必要もあります。

患者数の急激な増加によりこれを「パンデミック」と呼ぶべきかどうかの議論も出ていますが、世界保健機関(WHO)は、まだパンデミックという状態ではないと言っています。

むしろ、情報過多で人々が必要以上に動揺することを心配して、現在の状況は「インフォデミック」と表現しました。科学的な根拠のない情報が流布するインフォデミックの状態に世界が陥らないように警鐘を鳴らしたと理解する必要があります。

マスクはくしゃみやせきの飛沫(ひまつ)を周りに広げない「せきエチケット」として有用ですが、新型コロナウイルスの感染から身を守ることにはならないにもかかわらず、買い占めによる品切れ状態から医療機関に十分に行き渡らなくなった厳しい現状があります。高値による転売など弱みにつけ込んだ行為も広がっていて、これらは言語道断の行為というべきでしょう。

新しい感染症は科学的にも不明な点が多く、その分からなさ故に人々は不安を抱き、少しでも安心できる情報を得たいという気持ちから、デマやうわさに惑わされ過剰反応にもつながってしまいかねません。

現段階では専門家の間でも、確証を持った発言と推し量った発言とが混在する状況だと思えるくらいです。一般国民がその真偽を見極めるのは容易ではありません。政府には正しい情報を的確に発信してほしいと思いますし、専門家も根拠を示し節度ある発言に努めなければなりません。それを伝えるメディアも情緒的な報道にならないように注意してほしいと思います。

こんな現実の中、南房総・鴨川で20年間を過ごした私としては大変誇らしいことがあります。それは勝浦のホテル三日月が中国・武漢市からチャーター機第1便で帰国した在留邦人を受け入れてくれたことです。勝浦ホテル三日月の職員の皆さま、ご家族の皆さま、勝浦市民の皆さまには、本当に敬意と感謝の意を表します。

また、発病者を受け入れ、治療に尽くしてくれているわが前任地の亀田総合病院の皆さまにも感謝します。両施設とも、わが故郷の誇りであると思っております。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院名誉院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

2月17日20時00分 882

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