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世の中、新型コロナウイルスの蔓(まん)延により、1年前には全く予期しなかった悲惨な状況になっています。

例年なら、新入職員、新入生の歓迎会が頻繁に行われている時期のはずですが、全て自粛、キャンセルとなっているところがほとんどでしょう。

うっかり、それをしっかりと認識せずに宴会、飲み会、懇親会を開いた人たちは、結果によっては社会的に強い非難、糾弾を受けています。

いくつかの大学病院、公立病院などでは、厳しい2年間の初期研修医期間の終了を祝ったところ、いわゆる「3密」をすることになり、長時間の飲み会を楽しんだ後に、新型コロナウイルスに感染したことが判明し、これが公表され、週刊誌にも大々的に取り上げられる事態にもなっています。

初期研修を終えて、晴れて医師として自分で選んだ新天地で後期研修に励むはずだったのに、感染者あるいは感染疑い者となって出勤停止に追い込まれた若い医師たちも多く出現しました。

国も自治体も医療機関も、3密を伴う行事には参加しないように強く指導してきましたが、一部の医療従事者がこの禁を破ってしまったのですから、その代償は大きなものになりました。

医療崩壊が心配される新型コロナウイルス禍の中で、医師としての活躍の場を一時的にせよ、失った事実は、一生後悔して過ごすことにつながるでしょう。新しい職場では、針の筵(むしろ)に座らせられる気分を味わうことになるでしょう。

この失態を演じた若者たちには、これをきっかけに、さらに強い意志を持って医師としての修行に励んでもらいたいと思っています。

医師となったからには、私の長年の主張である、「24時間、365日、休みがあったら損と思え!」という気概で働き続けて、社会に対して償いをしてもらいたいと思います。自分には労働基準法に守ってもらう資格はないと思ってほしいものです。

今どき、こんなことを言っていると、私自身が労基違反で逮捕されかねない状況ですが、今回はあえて言わせていただきました。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院院長補佐

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

4月13日20時00分 748

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