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前回は新型コロナウイルス問題で、かなり悲観的な意見を述べましたが、1週間たってもあまり明るい見通しは立ちません。

私は政治経済の専門家でもなく、感染症に関しても専門家ではないのですが、医師として、社会人として、自分なりの考えは持っておくべきであると考えて、新聞やテレビ、ネットで得られる情報には気を配っているつもりです。

私は、職業柄もありますが、経営、経済の心配よりも、病気の蔓(まん)延、死者の増加に一番目がいきます。経済が立ちゆかなくなると、人々が生活できなくなるのは理解できるのですが、医師となって長年病気に苦しむ患者さんとともに戦いながら生きてきたので、どうしても経済状況には目をつむっても病気の制圧を第一に考えようとします。

そんな私の目からみて、緊急事態宣言が連休明けに解除できるとはとても思えないのです。本当に政府は、解除できると思っているのかと不思議でなりません。連休に入る前に延長を宣言すべきだと思ってきましたが、昭和の日の29日には、政府がその方向に進まざるを得ないと覚悟したような報道があり、経済的に日本がつぶれる心配をしつつも、「ああ、良かった」というのが正直な気持ちです。

5月のゴールデンウイークが、今年はディザーストラスウイーク(disastrous week)になるかもしれません。これから1週間の間には、安倍首相と政府、自治体の首長たちは、悩みに悩んで、いろいろな案を出してくると思います。

いろいろと批判する人たちも続出すると思いますが、私は悩む政治家、政府の職員たち、財界人たちの熱心な働きぶりも評価しつつ、一国民として一緒に悩みつつ、このコロナ禍に立ち向かっていこうと思っています。

私にできることは、3密を避けることに協力することくらいしかないかもしれませんが、全国民、世界中の人々と心を一つにして進むしかありません。

連休明けに、新規感染者数が急激に減って、緊急事態宣言が解除されるように祈りつつ、不安で、悲惨なゴールデンウイークに入ります。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院院長補佐

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

5月4日20時00分 835

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