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新型コロナウイルス感染の蔓延(まんえん)により、これを制御するための緊急事態宣言が出され、国民はこの政府の方針によく協力してきたと私は思っています。

この宣言が解除される日がくるのを多くの国民が楽しみにしながら、3密の回避をはじめ、多くのことを自粛し、我慢してきました。最近の政府の動きからは、なんとなく、「5月14日には何らかの解除宣言がなされる」と期待するようになってきていたと思います。

どうなるかとわくわくしていたところ、14日になりますと、インターネットに「緊急事態宣言、39県解除へ 愛媛は条件付き」という日経新聞の記事が出ました。

とうとう出た、と多くの国民が喜んだものと思います。私もそのうちの一人です。

しかし、そう喜んでばかりはいられません。

日本では、北海道がいち早く、新型コロナウイルスの蔓延を阻止したとして、称賛を浴びたと思ったら、早々と第2波が襲ってきたことが報じられ、一転して海外メディアが北海道を「典型的な失敗例」として報じ出した苦い経験があるからです。

この文章を書いているのは、14日昼ですが、日経新聞ネット版の記事には、「政府は14日夜に対策本部を開き、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の対象から愛知県や福岡県などを含む計39県を外すと決める。同日午前の基本的対処方針等諮問委員会が政府案を評価した。緊急事態宣言の発令後、対象を解除するのは今回が初めてとなる」と記載されていますから、今夜の対策本部会議で予想、期待を覆す結果が出ないとも限りません。14日中に、新規感染例が多数報告されないように祈っています。

たとえ、宣言が解除されても、また、宣言から外れた地域でも、「密閉・密集・密接」の「3密」を避けるといった「新しい生活様式」の定着を促す必要は引き続きあるものと思います。今回のコロナ禍をきっかけに、日本で日常化していた「仕事の後でちょっと一杯やっていこうぜ」という風潮は急速に弱まるのではないかと感じている私です。

勤務形態でも、在宅勤務が増え、早期帰宅への努力も習慣化するのではないでしょうか。私が長年提唱してきた、「外科医になろうとする者は、24時間、365日、休みがあったら損と思え!」という言葉は完全に死語となるでしょう。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院院長補佐

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

5月18日20時00分 640

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