ニュース » 記事詳細
世界で広める日本食を語る和田さん=房日新聞本社で

元日にテレビ東京で放送

3号店は東欧のうなぎ店

世界最西のニュージーランド近くのニウエ、民間人が住む世界でもっとも北の町のスバールバル諸島(ノルウェー)ですし店を営む館山市出身の和田泰一さん(36)が、今度は東欧・クロアチアで、鉄板焼きとうなぎの店を開いて人気店になっている。スリランカでもカレーとラーメンの店の準備を進めており、グローバル感覚で「日本の食」を世界に広めている。クロアチア店の様子は、正月1日の特番「世界の秘境で大発見! 日本食堂18」(テレビ東京系、午後4時)で放送される予定。

和田さんは、和田眼科の富永眞知子医師の長男。地元の小学校から千葉国際中学校(君津市)へ進み、米国の高校からコロラド大を卒業した。

元来の国際派。「おもしろいことをしよう」と国際的ビジネスを手掛けた。2009年、空気のきれいな場所に移ろうと、ニュージーランド近くのニウエ島を転居先に選んだ。人口はわずか1500人。小さくても独立国で、和田さんらの活躍もあって、日本政府もその後、国として承認する。

島内にすし店「KAI IKA(カイイカ)」を開業した。ニウエは西経169度。日付変更線のすぐ東で、世界で一番西に位置付けられる。この1号店が世界最西の店となった。

その後、世界最北の地に2号店を開店。スバールバル諸島にすし店「KITA(キタ)」を出した。

3号店は東欧の「KOBE(コウベ)」。うなぎの獲れる地で、現地でも食べる習慣がある。関東と同じように蒸してからかば焼きにした。ぶつ切りで焼いて食べる現地方式とは違い、最初から人気になった。神戸牛を空輸して、目の前で焼く方式の鉄板焼きも人気。立地はクロアチアの農村で、1号店、2号店並みの人口の少ない地だ。

「シンガポールやニューヨーク、東京などの大都市出店の方が、リスクが大きい。大都会にはいろいろなライバル店がある。田舎には店そのものがないので、競争もない。人気店になるのも早い」と、和田さんは独自の経営哲学を持つ。

日本の食文化への理解を深めるのに、障害も大きかった。現地では日本のようにうなぎをさばける人がなく、かば焼きにするのもひと苦労だった。鉄板焼きのシステムも、厨房を区切るという現地の基準に合わず、英語を使って説明を重ねた結果、当局から認められたという。

館山へは1年半ぶりの帰国。年内いっぱい滞在し、現在住むモスクワに戻る予定だ。館山の魅力を聞くと「魚が非常においしい。世界で一番ではないか」と歯切れも良い。

準備中のスリランカ店を含めると、世界の4店を運営するため、飛行機で飛び回る。各店とも現地の方針に任せており、あまり口は出さない。飛行距離は伸びに伸び、5年間で地球を100周した計算になるという。

故郷・館山にしばし滞在後、和田さんはまた世界中を飛び回る。5店目の意向を訪ねると「今度は世界最南端のチリかアルゼンチンに日本食の店を出したい」。柔和な笑顔を見せた。

【写真説明】世界で広める日本食を語る和田さん=房日新聞本社で

15年12月28日 25,519
Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved