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田のくろをたいまつを持ってくろを歩く子どもら=南房総市富浦町青木で

惜しみつつ子ども9人が たいまつ掲げ農村を歩く

房州の農村伝統行事、虫送りが26日夕、南房総市富浦町青木であり、地元子ども会の9人がわらのたいまつに火を付け、夕刻の水田地帯を歩いた。地域の田植えが全て終わったのを待って、地元区と子ども会で行っている伝統行事で、来年度は子ども会員が大幅減少することから、子ども参加の虫送りは今年が最後といい、伝統行事を惜しむ声も聞かれた。

稲の害虫を区域外に送り出す、青木地区で伝統的に続けられている素朴な農村行事。「オオクンド、オオクンド(送るぞ、送るぞ)イネ虫オオクンド」と唱えることから、地元ではこの行事を単に「オオクンド」とも呼ぶ。少なくとも半世紀以上は続けられ、現在の中堅どころも子どものころ、このオオクンドの洗礼≠受けている。

集まった子どもたちは、大人の指導で長さ約2bのわらのたいまつをつくり、これに火を付けて、田のくろを歩いた。「最後のオオクンド」とあって、安田幸夫青木区長(66)が陣頭指揮。安田区長の掛け声に合わせ、発声練習をしてから行事に臨んだ。

子どもたちは、竹とわらで手づくりしたたいまつを手に、「オオクンド、オオクンド、イネ虫オオクンド」の掛け声を響かせながら、田のくろを縫って、岡本川までの約1`を歩いた。

青木子ども会によると、「少子化で、ここ数年は10人前後の会員で存続が難しくなっていたが、来年は6年生4人が抜け、低学年が多くなってしまうためやめることになった」という。

安田区長は「(伝統行事を終えるのは)寂しいが、子どもたちも少なくなっているので仕方がない。子どもたちも大きな掛け声を出してくれ、最後は正調の虫送りで、いい形で終わることができて良かった」と話していた。

富浦小6年の本間功沢君(11)は「たいまつづくりのひもを結ぶ作業が、1年生の時は難しかったけど、6年生になってできるようになった。この行事がなくなってしまうのは寂しい」としんみり。

子どもたちの行事の後は、大人たちが地区公民館に集い、酒を酌(く)み交わし、農業の将来像などを話し合った。「来年は大人だけでも、たいまつをともせないか」などの声も上がった。

【写真説明】田のくろをたいまつを持ってくろを歩く子どもら=南房総市富浦町青木で

5月28日10時20分 669
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