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演じられた「寿二人三番叟」=とみうら元気倶楽部

「上質な舞台」に万雷の拍手

南房総市の第30回南房総人形劇フェスティバル(同市教委主催)の千秋楽が14日、同市のとみうら元気倶楽部であり、文楽の昼夜公演でイベントの幕を閉じた。文楽は昼167人、夜の部は117人の大入り。今年はイベントの30回を記念して、人形浄瑠璃の夏の人気ネタ「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」のうち「長町(ながまち)裏の段」を上演。義父殺しという重いテーマだが、だんじり祭りに流れる重厚な舞台に。会場からは惜しみない拍手が送られた。フェスティバル全体ではのべ877人の来場者を記録した。

「夏祭浪花鑑」の団七(左)と義平次=同

千秋楽の幕開けは、「寿二人三番叟(さんばそう)」。吉田蓑紫郎さんと吉田蓑太郎さんの2人が主遣いとなり、五穀豊穣(ほうじょう)を願うお祝いの舞台である、2人での三番叟が演じられた。

中入りでは、恒例の「ふれあい文楽教室」となり、桐竹勘十郎さんが舞台に登場。「足遣い10年」と言われる、文楽のうち最も下積みの長い足遣いの苦労を話した。

勘十郎さんは三番叟の解説後、その後に演じる夏祭浪花鑑の登場人物を紹介。三河屋義平次は意地の悪い年寄りで、人形も小さくつくってあるが、団七九郎兵衛は偉丈夫で、手足の長さを強調してつくられているという。入れ墨をした人形だが、これも絵を描くことが好きな勘十郎さん自らが描いたことなどを語った。

舞台であいさつする桐竹勘十郎さん=同

休憩の後、定式幕が開き、メインの夏祭浪花鑑に。吉田蓑二郎さんが主遣いの義平次と、勘十郎さんの主遣いの団七とがやり取りする場面。強欲な義平次が、娘婿の魚行商の団七に罵詈(ばり)雑言を浴びせる。親殺しがご法度なのを逆手に取り、義平次は団七に悪態をつく。雪駄(た)で団七の額を割り、つばを吐きかける。我慢に我慢を重ねる団七が、脇差しで切ってしまうと「人殺しー」と叫ぶ。

団七はついに覚悟を決め、義父に切り掛かる。圧巻なのはここからで、返り血を浴びた団七は井戸でそれを洗い流し、だんじりの神輿と一緒に、消えていく。

会場からは万雷の拍手が送られた。観客からは「これほどの上質な舞台が、地方で見られて素晴らしい」「30回記念らしい大きな舞台に感激した」などの感想が聞かれた。

【写真説明】演じられた「寿二人三番叟」=とみうら元気倶楽部

【写真説明】「夏祭浪花鑑」の団七(左)と義平次=同

【写真説明】舞台であいさつする桐竹勘十郎さん=同

8月16日20時00分 448
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