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瓶に酒を注ぐ氏子ら=南房総

コロナ禍でも伝統守る

南房総市沓見の莫越山神社(齋東清道宮司)で18日、神酒醸造神事でつくった神酒の瓶詰め作業が行われた。コロナ禍の中、氏子らが「地域を元気づけたい」と伝統行事を行った。

1300年前から続くとされる伝統的な神事。同神社、伊勢神宮、出雲大社、岡崎八幡宮の全国4か所だけが神社による清酒を醸造するという。「神酒造り神事」として同市指定無形民俗文化財となっている。

神酒は、安房国司祭「やわたんまち」で、館山市の鶴谷八幡宮の神前にささげられている。今年も、きょう19日の六所祭で奉納される。

今年の祭礼は、新型コロナ感染拡大防止の観点から祭典のみに。神酒は例年、神輿の担ぎ手らに振る舞われているが、今年は莫越山神社の氏子らに配布されるという。

8月2日に氏子らが仕込み開始。今年は、県神社庁安房支部も作業に加わり、一連の作業を行った。

醸造には、同地区で栽培された「コシヒカリ」60`を使用。精米し、糀(こうじ)や同神社の井戸水を加える「?(もと)立て」。同9日にはさらに米、水、糀を足す「掛(かけ)」をした。

仕込み作業は、感染対策を徹底するとともに、猛暑となった8月の1か月間は、空調設備で、室温を20度に保つなど、管理に細心の注意を払ったという。

この日は前日から24時間ほどかけて搾り出され、たるにためられた神酒を瓶詰め。日本酒の芳香が漂う中、白い作務衣(さむえ)を着た氏子らが、ひしゃくとじょうごで丁寧に瓶へ注ぎ入れ、わらでふたをした。

千葉東税務署の職員らが計量。東京国税局、館山税務署の職員らも立ち合い、作業を見守った。今年は一升瓶(1・8g)で42本と約0・06gの神酒が出来上がった。

アルコール度数や比重などを分析、鑑定する東京国税局・課税第二部鑑定官室の岩槻安浩室長は、「酸味もありしっかりとした味わい。香りも良い」と感想を述べた。

齋東宮司は「今年の実施は悩んだが、伝統を続けることで地域の皆さんを元気づけたいと思い、神酒づくりをした。新型コロナ終息への祈りの気持ちを込めて神前にお供えします」と話した。

【写真説明】瓶に酒を注ぐ氏子ら=南房総

9月18日20時00分 722

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