
農業研修事業化に企業人連携
館山市の農家などでつくるNPO法人南房総農育プロジェクトの「農業研修プログラム」が、認定NPO法人サービスグラント(所在地・東京、嵯峨生馬代表理事)の地域課題解決型の事業を支援する「ふるさとプロボノ」の支援先として選ばれた。17、18日には、都内のメーカーや教育関係の職場で働く5人が訪れ、実際のプログラムを体験して取材した。
プロボノとは、「公共善のために」を意味するラテン語に由来しており、社会的・公共的な目的で、職業上のスキルや専門知識を生かしたボランティア活動を意味する。
「ふるさとプロボノ」は、大都市圏で活躍する企業人が、数回の訪問体験やヒアリングを経て、最後に具体的な課題解決策を作成する地域交流型プログラム。震災復興支援や地方創生支援で、全国50件以上の実績がある。
地域の生産者らでつくる南房総農育プロジェクトは、「農」をキーワードに地域人材を呼び込み、育成する「農業研修プログラム」を計画しており、対象事業に選定された。今年度は全国12団体が支援の対象で、10月に始動して1月下旬に課題解決につなげる方策が発表される予定となっている。
オンラインでの会議などを経て、17日に初めての顔合わせ。互いの自己紹介や事業の説明が行われ、18日にかけて実際に3人の生産者の農地を訪問して、プログラムで想定している種まきや収穫後の処理作業などを体験した。
サービスグラント事務局の中川寛允さん(36)は、「まずはこの機会に参加者自身が南房総への愛着を深め、最終的な成果物で事業の発展に貢献できれば」。南房総農育プロジェクト理事長の岩槻伸洋さん(50)は、「いつ、どこで、誰に、どんな内容のプログラムをどうやって届ければ狙いとする人材を呼び込むことができるか、といったマーケティング調査に期待している」と話していた。
【写真説明】農作業を体験する参加者ら=館山