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縁起物で明るい正月を
正月の縁起物として飾られるセンリョウの出荷に向けた作業が、特産地の館山市畑地区でピークを迎えている。昨年は台風で大きな被害を受けたが、今年は生育も良く、平年並みの収穫量に回復した。
常緑小低木で、花の少ない冬に赤い果実を付けることで人気のセンリョウ。生育に日陰を好み、竹簾(たけす)で側面と天井を覆った高さ2bほどの「千両小屋」で栽培される。
JA安房豊房千両部会(畑、神余地区の29軒)の山川國男部会長(73)によると、昨年は台風15号の強風で竹簾が倒壊し、潮風を受けるなど被害を受けたが、各農家が修復に尽力。今年は天候にも恵まれ、収穫量も例年の水準に戻ったという。
山川さん方でも、全ての千両小屋に被害があったが、9棟を修復させ、6反部の面積で栽培。潮風がなかった分、葉の緑も鮮やかで、今年は300ケースの出荷を見込んでいるという。
新型コロナウイルスの市場への影響は未知数だが、8日に福島県郡山市で行われる競りを皮切りに、14日までの期間で一斉に全国各地に出荷される予定。準備は最盛期に入り、千両小屋での切り出しから、選別や葉を整える作業を、家族、親戚らと手際良く進めていた。
山川さんは、「今年はコロナで大変な1年でしたが、縁起物のセンリョウで、少しでも明るい正月を迎えていただけたら」と笑顔を見せた。
【写真説明】センリョウを選別する農家=館山