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旧武士階級の転身を紹介する展示=館山

旧長尾藩士など140点で紹介

明治時代の武士の姿にスポットを当てた、館山市立博物館の企画展「武士たちの明治」が、同博物館で始まった。武士の時代が終わり、士族と呼ばれながらも生き方の変化に迫られた地域の武士たちが、各分野に転身していった姿などを140点の資料で紹介している。3月21日まで。

館山市内に藩庁を置いた長尾藩、館山藩を中心に紹介。明治の初めごろに、長尾藩の士族は家族を含め2064人、館山藩では313人いたという。

廃藩置県で藩士としての職を失い、その後支給されていた秩禄(ちつろく)という収入もなくした旧武士階級は、新たな職を求めなければならず、土地を手に入れて農業を始めたり、商人、職人になったり、武士として培った教養を磨いて官吏や教員、医師などになる者もいたという。

展示では、長尾藩など士族の転身の様子、同じ藩の士族同士で難局を乗り切るために組織された士族結社などについて写真や文書などで丁寧に紹介している。

20歳で廃藩を迎えた旧長尾藩士の東誠一は、廃藩後に東京で西洋医学を学び、明治10年に那古村に那古病院を開院した。内科・外科・眼科に対応し、入院施設を持つ安房で最初の近代病院だったという。

教師として県内各地の医学講習所で、旧来の村医者たちに新しい医学教育なども行っていた人物で、同展では東の写真や当時の様子を伝える「那古病院画」などを展示している。

同じく旧長尾藩士の市野義雄は、藩校の日知館の名を取って「日知学舎」という私塾を創設し、晩年は北条町長も務めた。旧長尾藩士の士族会「同誓社」の幹事も務めるなど社会と仲間のために活動を続けた経歴を資料とともに紹介している。

同博物館の担当者は、「武士の時代が終わり、没落していった者もいたが、武士は小さなころから学問や武芸に励んでおり、しっかりと身に付いていれば時代の変化に対応する力があった。明治時代のこの地域をリードしていく人物もいた。旧長尾藩士らこの地域の武士の転身ぶりを知ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。

市立博物館の観覧料は一般400円、小、中、高校生200円。月曜日は休館となる。

問い合わせなどは、市立博物館(0470―23―5212)へ。

【写真説明】旧武士階級の転身を紹介する展示=館山

2月12日20時00分 696

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