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看板を前に粕谷征三さん=館山市北条の自店で

「避難した人温めたい」と

館山市内でラーメン店を構えて40年、作歌活動も続け「ラーメン歌人」の異名をとる、粕谷征三さん(67)が、東日本大震災の被災者支援のため、当地に避難した人に、ラーメンを無料で提供することを決めた。県内には現地へ出向いてラーメンを提供する店主もいるが、粕谷さんは「店は閉められない。こちらに避難した人を、温かいラーメンで迎えたい」と、さっそく看板を出した。

国内外のラーメン店300店が「ラーメン義援隊」を組織し、順次、現地入りしているが、粕谷さんは当地で支援しようと、東北・関東の被災者に無料でラーメンを提供することを決めた。

自己申告制で「震災の被災者である」旨を告げれば、ラーメン1杯(通常550円)が無料となる。店は現在、月曜が夜間休みだが、あとは昼夜営業している。

粕谷さんは「一器入魂」を掲げ、ラーメン道を邁進中。旧かな遣いの歌人でも知られ、入賞歴も多数。ラーメンをつくりながら、短歌もつくることから、誰が言うともなくラーメン歌人の愛称がついた。若いころは自衛官で、館山航空基地で5年間、給養班として隊員の食事をつくった。元自衛官の矜持(きょうじ)も、今回の活動の根っこにあるという。

今回の地震で館山市内が全面停電した11日夜も、マイカーのヘッドライトをつけて店を開いたほどの熱血漢。営利目的ではなく、夜回りの消防団員らに向けた開店だ。「地震で停電だからこそ、店を開く意味があった。多くのお客さんが来てくれて」と粕谷さん。

元自衛官としても、居ても立ってもいられない粕谷さんだが、常連客のためにも店は閉められない。被災者が当地に避難していると聞いた粕谷さん、「では、店で無料で食べてもらおう」とさっそく手づくり看板を出した。

当面の間、被災者へのサービスを続けるという。

店名は「かすやらーめん」。六軒町本通りの牛角館山店の向かい。

【写真説明】看板を前に粕谷征三さん=館山市北条の自店で

11年3月22日 6,864
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