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福島原発事故について持論を示す澤井さん=館山

NPOのスタッフ 事故の現状や影響語る

核や戦争のない世界の実現を訴える市民団体、反核平和の火リレー安房地区実行委員会が主催する「原発問題について考える平和学習会」が24日、館山市の菜の花ホールで開かれた。市民ら約40人が参加。NPO法人原子力資料情報室の澤井正子さんから、福島原発事故の現状や放射能汚染について聞いた。

澤井さんは、原発の危険性を訴え続けた物理学者、故高木仁三郎氏が主宰した「反原発出前お店」活動に参加。平成4年から原子力エネルギーに依存しない社会のあり方を調査研究する同NPOのスタッフとなり、再処理や廃棄物問題を担当している。

学習会では、まず、福島原発などで採用している沸騰水型原子炉の構造と発電メカニズム、震災で事故に至る経過を解説。事故を起こした原子炉の現状について「溶け落ちた燃料は格納容器内に留まっているといわれているが、容器内の様子は確認できておらず、誰にも分からない状態。事故は進行中で、収束という状況ではない」と主張した。

また、放射線被爆が人体に与える影響について、昭和61年に発生したチェルノブイリ原発事故を例に「ベラルーシでは15歳未満の甲状腺がんが、事故発生後4、5年後から急増した。全人口で増加傾向が続いている」と説明。

そのうえで「世界では浴びた量に正比例して影響が出るというのが一般的。放射性物質は食物連鎖のなかで濃縮される。頂点にいるのが人間で、食事などから蓄積されていく内部被爆に注意が必要だ」と強調した。

最後に「原子力ムラ」と呼ぶ、企業や学界、省庁などの原発推進体制の構図を示し「事故は無関心だった社会にも責任がある。一人ひとりに考えてもらいたい」と締めくくった。

「事故から10か月。当初の危機感は薄れつつあったが、講師の客観的な見解から、改めて事故の深刻さを知る機会になった」と40代男性。同会では「原発事故がどのようなもので、今どうなっているのか、正しく理解することが重要。講演をきっかけに、原発問題をより深く考えてもらいたい」と話している。

【写真説明】福島原発事故について持論を示す澤井さん=館山

12年1月27日 1,665
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