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著書を手にする大場俊雄さん

千倉出身の国際俳優

1次史料で真実明らかに

千倉出身で、日本人としてもっとも早い時代に活躍した国際的映画俳優、早川雪洲(本名・早川金太郎。1886―1973)の生涯を描いた『早川雪洲―房総が生んだ国際俳優』(崙書房出版)を、元県水産課長の大場俊雄さん(79)=館山市那古=が出版した。

日米の公文書や、本人が実家にあてた書簡など一次史料にあたるとともに、大正・昭和期の新聞報道を豊富に引用し、客観的な眼で雪洲の真実を明らかにしている。

特に、雪洲が渡米してからハリウッドで認められるまでの明治40年(1097)から大正2年(1913)ごろの生活については、過去の出版物には語られなかった新事実≠ェ多く盛り込まれている。

大場さんは県水産試験場の技師だった昭和42年、同年開所した千倉分場に赴任し、アワビの種苗生産業務を担当。アワビをとりに米国に渡った漁師の話に興味を引かれ、休日に関係者宅への訪問調査を重ねた。

だが、その際に「こちらが望まなくても、雪洲のことを話してくれる町民が多かった」。雪洲の長兄、音二郎は一時米ポイントロボスでアワビ潜水器漁業に従事していた。「調査目的とは外れていたが、そのまま聞き逃すのはもったいないと思い、雪洲のこともノートに書きとめておいた」という。

アワビの調査が一段落し、大場さんは昭和50年代から雪洲について書かれた本や資料の収集を始めた。だが、語られている経歴や事績はさまざま。誤った記述も多く、「地元千倉の人でもあるし、いつか誰かが正しく改め直しておかねばならない」と決意したという。

ノートを付け始めてから45年かけての今回の出版。大場さんは「もう雪洲のことを知らない世代が増えている。この本が安房の漁村から米国に渡り、ひとり俳優への道を進んだ雪洲の人生を知る糸口になれば」と話している。

同書は1300円(税別)。地元各書店でも扱っている。

【写真説明】著書を手にする大場俊雄さん

12年4月17日 2,495
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