ニュース » 記事詳細
この地での建設断念を伝え陳謝する金丸理事長=富浦町大津公会堂

地権者協議が整わず決断

新たな建設地の検討へ

安房地域を一本化したごみ処理広域化計画を進めている安房郡市広域市町村事務組合(理事長・金丸謙一館山市長)は、広域ごみ処理施設の建設予定地としていた南房総市富浦町大津・居倉地区での地権者協議が整わず、同地区での施設建設を断念した。構成4市町への議会報告を経て、1日夜に開いた地元住民説明会で明らかにしたもので、さっそく、新たな建設予定地の検討に入る。現在、各市町へ公有地を中心とした有力な候補地探しを依頼しており、年内をめどに候補地を選定したうえで調査検討を進め、予定地決定にこぎつけたい、としている。

広域ごみ処理施設は、平成19年度に域内3つの候補地の中から、同地区を最優先候補地として決定。21年度に実施した「ごみ処理広域化基礎調査」で、広域化することが経済面、環境面で大きなメリットがあることが確認された。さらに、22年度に入って施設規模の大きなごみ処理広域化施設の建設に耐えられる地盤かどうかを確認するための「弾性波調査」を実施。その結果、施設の建設が可能であることも確認された。

これを受けて、23年度から同地区を最優先候補地から、「広域ごみ処理施設建設予定地」として本格的に事業をスタート。今年1月には、地元住民らによる最新ごみ処理施設の視察なども行われた。今年度は、事業の全体像を把握するための「一般廃棄物処理基本計画」や国の交付金を活用するための基礎となる「循環型社会形成推進地域計画」などを策定する予定で、国へ交付申請した矢先に地権者との問題が浮上した。

同組合によると、予定地の大半は南房総市が所有しているが、一部法人名義の土地が点在。その法人が過去に計画したゴルフ場開発の事業清算を申し入れてきた。2年前の地質調査の実施に際しては同意したうえ、将来の用地売買の予定も話し合うなど、事業に対して好意的だったが、今年度から予定していた基本計画や環境アセスなど現場に入る事業実施に際し、いくつか条件の申し入れがあった。

とはいえ、法人側の要望は同組合にとって対応不可能なもので、協議は平行線のまま終始。国の交付金申請取り消し手続きに時間的余裕もなかったことから、同地区への建設を断念。新たな建設地の検討に入ることを決断した。

この日、地区内の大津公会堂を会場に開かれた説明会には、地元住民ら約20人が出席。金丸理事長と組合理事でもある地元の石井裕市長に同市担当職員、安房広域事務局担当者らが同席。すでに7月の説明会で先行き不透明な状況を伝えていたため、金丸理事長、石井副理事長らは「大宮区の皆様方には、ごみ処理施設の建設予定地として選定させていただいて以降、地元説明会や先進地視察などにご協力をいただいてまいりました。今回、大津・居倉地区での施設建設計画を取り止めることは、これまでの経緯を振り返りますと、誠に遺憾に存じます」と断念に至った経緯を述べたうえで陳謝。住民からは何の質問もなく、説明会は約10分で終了した。

金丸理事長は「安房地域にとって、ごみ処理広域化事業は、既存のごみ処理施設の老朽化が進む中にあって最重要課題となっております。これに立ち止まることなく、新たな用地選定を早急に進め、事業推進を図っていきたい」と話している。

【写真説明】この地での建設断念を伝え陳謝する金丸理事長=富浦町大津公会堂

12年10月2日 3,190

各ページに掲載の記事・写真・図表など無断転載を禁じます。著作権は房日新聞社または情報提供者に属します。

Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved