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世界の秘境でのビジネスを語る和田さん=館山

味のルーツは館山にあり

テレビ東京で あす放送へ

「民間人が住む世界でもっとも北の町」のスバールバル諸島(ノルウェー)ですし店を営む、館山市出身の男性がこのほど帰国した。米国・コロラド大学を卒業。日米間で貿易の仕事をしたり、中国でLED電球の製造・販売をしたりと、グローバルな仕事をしたが、現在は世界の秘境ともいえる地で、日本食を広めようと東奔西走している。男性の仕事の様子が、あす24日夜の地上波テレビで放送される。

館山市北条の和田泰一さん(33)。和田眼科の富永眞知子医師の長男だ。地元の小学校から千葉国際中学校(君津市)へ進み、その後は米国の高校からコロラド大を卒業した。在学中にビジネスを始め、最初は国際電話を使った英会話教室を営んだ。

不動産業なども手がけ、米国で大勢の人と出会い、それを財産にビジネスの輪を広げていった。2003年には電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」を日本へ輸出する事業も手がけ、その後は中国・上海に渡り、LEDライトの製造・販売に乗り出す。

生来の冒険家気質。小学校入学前に館山から和田浦まで歩いて親戚宅を訪ね、驚かせたこともある。「ダメならやめる」。決断力も早く、転機にも素早い対応を示す。「危険を冒して失敗しても、事業を手がけたという経験や実績は残る」と、性格は天衣無縫だ。

上海の公害に悩んだ2009年、空気のきれいな場所に移ろうと、インターネットで調べて、ニュージーランド近くのニウエ島が転居先に浮かんだ。人口はわずか1500人。小さくても独立国(日本政府は未承認)。「すごくいいところ。島全体がのんびりしており、波長が合った」(和田さん)ので、ここに移った。

島には携帯電話システムがなかったので、自らエンジニアを呼んで、島で最初の携帯電話を持った。島周辺では良質のマグロが獲れる。イスラエル人の知人が一手に漁獲しているが、輸出する手段がなく、島内で「フィッシュ&チップス」として消費されるだけだった。その知人から相談を受けた和田さん。出身地の館山のすしを思い出し、島内にすし店「Kai Ika(カイイカ)」を開業した。ニウエ語で「シーフードを食べる」の意だ。日本語の「貝、烏賊」にも通じている。

何しろ上質のマグロだ。すぐに大人気メニューとなり、島内一のレストランになった。ここで思考をとめないのが、和田さんの真骨頂。「もう一軒やろう」と、2号店の出店先を模索した。

ニウエ島は西経169度。日付変更線のすぐ東で、世界で一番西に位置づけられる。1号店が世界最西なら、世界最北の地に2号店を出そうと、スバールバル諸島に着目。

研究者以外の民間人が住む場所としては最北のロングイェールビーン集落に決め、ここにすし店「Kita(キタ)」を出した。今年1月のことだ。

2島とも位置は違えど人口や環境、経済状況などが似ていた。魚がおいしいことも共通点だ。2店とも順調で、現地で高い人気を誇っている。

こうした店のルーツは、和田さんが育った館山の海産物にあるという。2店ともメニューに「海鮮丼」がある。館山の味が世界の秘境店で通用しているのである。「館山は世界とつながっている」。和田さんはそんな思いで、世界を駆けている。

◇ ◇ ◇

和田さんを紹介する番組は、テレビ東京の「日曜ビッグバラエティ・世界の秘境で大発見! 日本食堂8」のタイトル。24日午後7時54分から9時48分まで放送される。和田さんのほか、世界で働く日本人が紹介される。

撮影スタッフは、館山の風景なども収録している。和田さんはこの2店を飛行機6本の乗り継ぎで、3日と10時間かけて行き来しているという。「ぜひ見てほしい」と和田さん。

【写真説明】世界の秘境でのビジネスを語る和田さん=館山

13年3月22日 17,093
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