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足こぎ車いすに乗る竹山さんと鈴木社長=館山市コミセンで

体験会も好評

館山市社会福祉協議会(宮澤治海会長)は、脳卒中などで歩行困難となった人らへ、自転車のように足でペダルをこいで移動可能な「足こぎ車いす」を貸し出す事業を新たにスタートした。同市コミュニティセンターで27日、体験会も開かれ、市健康福祉部の西川隆部長や民生委員、ケアマネージャー、ヘルパー事業所連絡協議会会員ら65人が参加した。

講師には、足こぎ車いすの開発に携わった株式会社TESS代表取締役社長の鈴木堅之氏を招いた。鈴木社長は、伊豆市出身で、盛岡大学文学部児童教育学科卒。知的障害者更生施設や公立学校教員を経て、東北大学の研究開発型ベンチャー企業の同社を平成20年に設立。世界初の足こぎ車いす「プロファンド」で神経調節技術を世界に向けて発信し、大学、行政と連携を図りながら、新たなビジネスモデルの構築を目指している。

足こぎ車いすは、脊髄にある反射中枢で起こる脊髄反射を活用してペダルをこぐため、両足の切断などでない限りは、パーキンソン病や脳性まひの人らも利用可能な福祉機器。誰にも頼らず一人で自立して移動が出来るため、利用者の多くが喜びの感情がわき、脳への刺激にもつながり、またペダルをこぐことで筋肉もつくられてリハビリ効果がある。

体験会では、宮澤会長が「東日本大震災後、東北地方の人々とともに元気になる事業はないかと考えていたところ、テレビ報道で知り、寝たきりや介助なしでは生活が困難な人に希望の光を灯せると、賛同を得て貸し出し事業を行うことになりました」などと常備した経緯について述べた。

続いて、鈴木社長が寝たきりとなった人が足こぎ車いすを使用するようになり元気を取り戻していく様子などを映像を交えながら紹介。その後、参加者が実際に乗リごこちを体験した。

6年3か月前に病に倒れ、左半身不随となった同市船形の竹山寛さん(76)は、車いすに乗ってすぐにペダルをこいで移動し始めると、「いい感じだよ。下がたいらなら、(これなら)どこへでもいっちゃうネ」と笑顔で感想を話した。

鈴木社長は、「新しい移動手段として利用してもらいたい。健常者と対等の関係をつくることが出来、街中を乗ってもらい、サイクリングロードなどで観光地巡りも出来るようになれれば」と話していた。

同協議会では当面、2台を常備し、市内に住む在宅者で歩行困難な人を対象に、1台は長期活用の3か月間、もう1台は1週間の短期活用として、無料で貸し出す。

問い合わせは、館山市社会福祉協議会(0470―23―5068)へ。

【写真説明】足こぎ車いすに乗る竹山さんと鈴木社長=館山市コミセンで

13年8月29日 2,507

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