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お得意のスケッチブック芸を見せるハットリさん=房日新聞社

館山から出世魚で羽ばたくか?

「シャチショーの前座したい」

魚類の生態や料理法に詳しい東京海洋大学准教授のさかなクンにあこがれ、魚関連の芸を磨く芸人、ハットリさん(25)=本名・服部伊吹、福岡県出身=が、さかなクンの地元・館山市に1か月滞在し、3食すべてを魚食して31日間を過ごした。1人で演じるフリーの「ピン芸人」。民放テレビの「R―1グランプリ」の予選突破をめざしている。芸風も魚を前面に出したユニークな内容で、新機軸で突き進む。いまはテレビ初出演を夢みる「ワカシ」(幼魚)だが、やがて大きく成長し「イナダ」「ブリ」級を狙う。坊主頭に水中眼鏡というインパクトある風ぼうで、大輪の芸の花が開くか。

高校生のころ、文化祭で人気者となり、以降「いじられキャラ」として校内で人気を保つ。早稲田大学教育学部へ進み、教員免許を取得。故郷を離れてにぎやかな東京に住むうち、むくむくと芸人魂がわき起こる。

趣味がスキューバダイビングということもあって、早くから魚類に親しんだ。さかなクンが絶滅したはずのクニマスを再発見したころからあこがれが募り、館山に足を運ぶように。

今年1月1日から、さかなクンの地元・館山で「人は1か月、自分で釣った魚だけ食べて生きていくことができるのか」という自分で決めた企画をスタートさせた。生活費は館山市内の繁華街で「流しの芸」をして稼ぎ、地元の親切な人の家を泊まり歩いた。

人生初めての取材を受けるハットリさん=同

3日ごとに別な人が泊めてくれた。提供される食事は断り、自分の釣った魚で3食をしのぐ。すいたん(何も釣れない日)は、漁業権のついていないマツカサガイ、アメフラシ(ウミウシ)などを食べた。アメフラシは湯がいてしょうゆで食べると、ツブガイのような味がした。

企画が満願成就≠ニなる前の29日、館山市の南総文化ホールでさかなクンの講演があると聞き、あこがれの人を楽屋に訪ねた。

まだデビューしていない芸人の訪問。門前払いされて当然だが、さかなクンは歓迎してくれた。スケッチブックに描いた魚の絵を使って替え歌にする持ち芸≠披露すると、「館山の誰よりも笑ってくれました」。さすがは尊敬する魚の博学。ハットリさんは「この道を極めよう」と心に刻んだ。

2月1日にいったん都内の自宅へ戻るが、ハットリさんはこの日、房日新聞社を訪問。10冊ほどあるスケッチブックから2冊を選んで、記者らの前で替え歌芸を披露。171a、75`の体をフルに使って、魚への愛を表現した。

R―1グランプリの予選が終わるのは3月だが、それまで魚類の豊富な房総半島で芸を磨きたいという。千葉での願望は「鴨川シーワールドのシャチショーの前座で、この芸を披露できれば」。

まだまだ無名のワカシ≠ュん、自身のツイッターやブログで動画などをアップ。出世魚のように、徐々に大きく育とうとしている。

【写真説明】お得意のスケッチブック芸を見せるハットリさん=房日新聞社

【写真説明】人生初めての取材を受けるハットリさん=同

14年2月7日 6,127
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