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4強が激突した大会最終日。決勝のカードは、那古ファイヤーズと南房総市役所。どちらが勝っても初優勝。実力伯仲の勝敗を分けたのは、わずかな差。勝利の女神は、勝利への気迫に勝る那古に微笑んだ。

〈28日の結果〉

【館山運動公園】

那古ファイヤーズ

0003002 5

0000000 0

南房総市役所

(那)木曽―鈴木美

(南)青木、忍足―林

▽二塁打=鈴木康(那)関(南)

【審】辻、鈴木基、神作晴

【戦評】那古が完封勝利した。四回、1死一、二塁から、三塁と相手悪送球で先制。敵失でさらに1点。山口聡選手の左前打に、二塁走者の能重和彦選手が好走塁でかえり、計3点をあげる。

最終回には、鈴木美智貴、長沢淳一、千田幸司各選手の3連打で、2点。試合を決定づける。投げては、木曽新吾投手が力強い速球と変化球を織り交ぜ、被安打2と好投した。

南房総市役所は、得点された四、七回以外は投手リレーで那古打線をよく抑えたが、打線が木曽投手を打ちあぐね、涙を飲んだ。

◇創設34年目で大輪咲かせる

「このバッターだけは死ぬ気で抑えろ」。5点リードの最終回。先頭打者を迎えたエース・木曽に、ベンチの吉田監督から大声が上がる。まるで1点差であるかのような厳しい指示に、那古の初優勝への執念が表れていた。

「先頭打者だけは出さないよう考えていた」。エースの思いも同じだった。2試合を投げ抜いているとは思えぬ躍動感あふれる投球で、この打者を三ゴロに仕留めると、小さくガッツポーズし、勝利を確信した。

流れをつくったのは、四回の千田主将のヘッドスライディング。無死一、二塁。「どうしても先取点がほしかった」。1死となり、攻撃の流れがしぼみかけたところで、がむしゃらに三塁を狙った。ノーサインの盗塁。ベースに頭を打ち付けたが、痛みを感じぬほど夢中だった。

先制点にかける主将の気迫。これがしぼみかけた流れを引き戻した。守備の乱れを誘い先制点を奪うと、この回3点。二塁から本塁を狙った3点目の走者・能重選手も、迷わずヘッドスライディングをみせるなどチーム全体が活気付く。1点を狙った主将のプレーは、優勝につながるプレーとなった。

昭和50年結成の伝統チーム。決勝に進出はするが、不思議と優勝には縁がなかった。今大会も強豪ひしめく死のブロックに入り、厳しい戦いが続いた。しかし、強豪チームとの戦いがチームの輪、勝利への執念を醸成した。

最後まで気を緩めぬ監督、1球1球に魂を込めるエース、そして気迫のヘッドスライディングをみせる主将。チーム一丸で勝利を目指す那古の野球。決勝の舞台。接戦でもまれたつぼみは、34年分の大きな花を咲かせた。

◇監督・主将コメント

吉田茂美監督(那古)

個人ではなく、チーム全体の力で勝ち上がることができた。投手は120%の力を発揮。打線も予想以上にがんばった。トーナメントでは強豪との試合が続いたが、1戦1戦勝ち上がる中で、チームがひとつになっていった。初優勝はもちろん、相手の南房総市役所は、昨年の初戦で敗れた相手で、リベンジもできた。最高です。

千田幸司主将(那古)

主将としてチームをまとめたというより、チームが勝ち進む中で自然とまとまり、勢いがあった。ひとつひとつ勝ってきた結果で、チームの輪が優勝につながった。明るく楽しく野球ができた。みなで勝ち取った勝利で、うれしいのひと言。

南部肇監督(南房総市)

(準優勝は)大変うれしく思う。大会ではベストメンバーを組めたことがなによりよかった。準決勝ではいつも通りエースが抑えて守り抜く野球ができた。決勝はうちのミスが敗因で、練習不足。また来年に向けてまたひとつひとつ野球をやっていきたい。

◇個人賞受賞者

最優秀選手賞・投手賞 木曽新吾投手(那古)

▽受賞理由=全試合フルイニングに登板。準決勝、決勝と完封。チームの優勝に大きく貢献する。

「チーム一丸でいい雰囲気の中、投げることができた。きょうは涼しかったので、連投も大丈夫だった。2試合とも完封できるとは思っていなかったので、自分でも驚いている。ここまできたら勝ちたいという気持ちがあった。最高の気分です」

打撃賞

山口聡選手(那古)

▽受賞理由=準決勝以上のリーディングヒッター。那古のリードオフマンとして獅子奮迅の活躍。

「調子は上向きだったが、結果には正直びっくりしている。打つことより、とにかく塁に出ることを考えていた。昨年入ったばかりだが、いい雰囲気のチームで、いい野球ができてよかった。チームの優勝に貢献できてうれしい」

優秀選手賞

忍足和浩投手(南房総市)

▽受賞理由=準決勝では昨年の王者・海自館山をシャットアウト。チームの決勝進出に貢献する。

「結成3年目で、チームがまとまり、決勝にあがることができ非常にうれしい。準決勝では昨年の優勝チームということは意識せず、精一杯投げた。完封できてとてもうれしかった。来年は優勝を狙います」

08年9月29日 61,165
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